散落と飄落の間—關於桐花的思維

◎陳健一(2008.05.12自由時報副刊) 攝影:葉怡君

このような情景は忘れられにくい。花の海の中騒がしい山道、白い花に染められて騒がしくなった山壁。

この季節の桐花節について

今回の旅のテーマが桐花観賞であると知った時、心の中には抵抗があった。この抵抗は長い間、自然体験の慣習であった。自然の中に入ると生命を体感し様々な発見があるが、この季節の百年近い外来産業の歴史を持つ花の姿を守るものではない。今回桐の花の旅はこのような枠組みと設定があり、私はためらいを感じた。

車は二高に入り、中和、土城一帯の清水坑山塊を回り、緑が鬱蒼とした山の斜面に白い桐の花が見えた。桐の花と季節感が目を引き始めた。同行した劉克襄が言うには、今年は天気のせいで桐の花の開花が遅く、ちょうどアカシアの花の時期と重なったのだと言う。山の斜面には、白い桐の花と黄色いアカシアの花が同時に見られた。

桐の花の花道を探す前に、私たちは車から遠く山の斜面の桐の花を眺めた。桐の花の宴に間に合ったように感じた。関西を過ぎ、遠回りして「桃源仙谷」に着くと、二葉松、黄連木の間に桐の花が落ちている。身をかがめて一番新しく落ちた桐の花をひとつ見つけ、拾って手のひらにのせ、じっくりと観察してみた。これが今年初めて身近で観察した桐の花だ。そう感じた。

園内の旅行者が絶えず行き来する。「桐花季になるとお客様が増える。ここでは毎年この季節を重視している。」と私たちの接客をしてくれた林さんは言った。それから車で三義火焔山の民宿に向かった。付近では花見客が花を観賞している。

桐の花は山を彩るだけでなく、人々を山に誘い、大自然を感じさせてくれる。このような風潮の背後には、当時の自然美学の比喩と意志がある。

桐の花は早期、産業的な理由から台湾に持ち込まれた。客家庄がある北部山区から南へと伸び、毎年三、四月に開花して、山の斜面をうめつくし、風采を添える。行政院客委会の積極的な働きかけにより、桐花が注目を浴びるようになり、ここ数年で、桐花観賞は観光の呼び物となった。人々は山に登って花見をする他、多くの地元産業、地方観光も、油桐の花の季節に合わせて観光客を呼び、地方産業を推進し、地方経済を活性化している。その中で、最も深く心に残ったのは、桐の花から伸びてきた文化産品だ。

その日、竹東客家米食センターで、女の人が頭上にきれいな桐の花の頭巾を巻いていた。同行作家、廖玉慧も桐の花の花飾がある布の箸入れをもっており、劉克襄の奥さんは、頭上に桐の花の花飾がある帽子をかぶっていた。これらはたいした意味もないようありながら、心のこもった飾りで、桐の花の旅に楽しさを添えた。桐花を見て、桐花を愛でて、桐花に関する文化創意産品を所有すれば、さらに充実した旅になる。

これぞまさに桐花から生まれた自然美学の魅力だろう。

桐花季は全体的にみて、過去数年のイベントやマーケティングで、観光業が発展し、人々を山林に誘い、山林の美さを感じ、多様に自然豊かな山林の啓発及び教養を楽しめるようにした。これらの努力により、産業の概念、創意、文化的特徴を持ち、最後に桐花季の豊富さ、明るいイメージを表現している。

全体的に、山林を下りた時には、桐の花はマーケティングに成功しており、民衆は次第に注意を払うようになり、身近に感じ、生活の中に受け入れるようになっていた。

「桐花季は最も成功した文化産業である。」その日、私はこのように同行した仲間と話した。

「文化は動態的で、桐の花を民衆に売り込むことに成功し、普遍的に受け入れられて、その常態発展の文化体勢はすでに形成された。これから十年、二十年と、桐の花は民衆とともに何度も山の小道を行き、桐の花を拾う幸福をともにすごすだろう。」私はこのように記したのは、かつての桐の花の困惑と対比したかったからだ。私はずっと長い間、その理念に包囲され、そう簡単に桐の花に関心を示したくなかった。外来種だとか、土地を破壊しているとか、客家だとかとの理念に惑わされ縛られて、私は桐の花を壁ごしに隔て、その美しさを見ようとしなかった。

今回、油桐の花の旅で、桐の花は無言だった。遠い山の斜面にあり、時にアカシアの黄色い花とともに映えてみえる。私は身をかがめ、桐の花を凝視した。そして情熱的に山に登って花見を楽しむ旅行客を見た。それと同時に、頑固に理念に執拗していた自分に気がついた。

これは桐の花だ。咲いた花、地面いっぱいに雪のように積もる花。それだけだ。その他はどうでもいいではないか。理念などどうでもいいことなのだ。

旅の最後は、桐の花が雪のように降ってくる場所で、同行した作家たちはおおいに楽しんだ。桐花を拾ったり、佇んだまま動かずに、ずっと空を見上げ、桐花が空から落ちてくる姿を探したりしていた。

「ああ!なんてきれいに散るんだろう。」

「速いね、めちゃくちゃ速い。」

「墜落って感じ。」

「あ!花が当たった。」

「落ちた花にアリがいるよ。」

「アリも選ぶのがたいへんだね。どの花が一番きれいに落ちているかって。」

 

「おいでよ、拾おう。これ、落ちたばかりだよ。」